介護施設で見守りをする目的は、利用者の事故を防ぎ安心して生活を送ってもらうためである。
介護施設の利用者には自分ひとりで行動するとベッドや階段などから転倒や転落するリスクがある人も少なくない。
ふらつきにより重大な事故を起こさないように介護職員はしっかり見守ることが求められる。
また、介護施設に入居している人のほとんどは高齢者であり、加齢により食べ物を食べて胃に送り込む嚥下機能が衰えつつある。
食べ物の飲み込み事故である誤嚥を起こさないように注意しなければならない。
見守りをする目的には、介護施設に入居している利用者の能力を最大限に引き出すというものがある。
介護職員は利用者が何不自由なく施設で過ごせるようにするよりも、利用者が自分でできることはするというADL(日常生活動作)を引き出せるように努めるべきということだ。
できることを利用者本人がすることで身体能力の維持や向上につながる。
また、利用者本人が自分でできることを行うことで、自尊心や誇りなどの維持にもつながるといいことづくめだ。
利用者の急変に備えて対応できるようにするというのも介護施設で見守りをする目的である。
血圧や脈拍、体温の測定などによる変化にも介護職員は注意深く気を配らなければならないが、注意深く普段と違う異変がないか観察することが見守りのコツである。
ただし、利用者に監視していると思われないよう、介護職員は目線や話し方などを工夫することが必要だ。